Deaf(デフ・聴覚障害)がフランスのシャルル・ド・ゴール空港を車椅子で移動した話

フランス

フランスのシャルル・ド・ゴールといえば、フランスで最も大きな空港であり、世界各国からのHUB(ハブ)ともなっている空港。

前回トラブルが重なった空港であったが、今回もトラブルとはいえないけど、近いことが起こった。

フランスのシャルル・ド・ゴール空港で預け入れ荷物の回収忘れ騒動【2017年度】
毎年5月は、ひらのたけしさんとフランスに行っています。 2017年のGWも、ひらのたけしさんとフランスのシャルル・ド・ゴール空港で落ち合う形で関西空港を出発。 そう、飛行機に乗って着くまではなんの問題なかった。 問題はシャルル・ド・ゴール空

下手な英語だと一切通じないシャルル・ド・ゴールの空港カウンター

空港のカウンターで飛行機のチケット発行を行うも、中学生レベルの下手な英語力では、なかなか通じない。

十八番である、自分はDeaf(デフ・聴覚障害)です〜!ということをジェスチャーで伝えると、得心したオペレーター。

別の人を呼ぶから少し待っててと言われ、しばらく待つと昔、フランスのサッカー代表を務めたティエリ・アンリ選手と非常に似た風貌のスタッフがやってくる。

片言の日本語で

アンリ
アンリ

アナタ、デフ?

その通りだと伝えると、

アンリ
アンリ

ジャア、コッチデ待ッテテ

そう言って航空券にDeafとメモをしつつ、

案内されたのは、カウンターから少し離れた場所にある赤いシートの座席。

その座席は日本で言う電車の優先席にあたるもので、年配の人や身体の悪い人が利用できる席だった。

Deaf(デフ・聴覚障害)はシャルル・ド・ゴール空港なら車椅子に乗れる!?

空港にもこういうのがあるんだな、とひとしきり感心していたところ、アンリが小柄なブロンドの女性を連れて戻ってきた。

まさに欧州の美人といった綺麗なブロンド美女。
その容姿に見とれるも、ブロンド美女が持ってきたものを見るないや、我に返ってしまう。

ほんごう
ほんごう

えっ!?なんで車椅子???

Deaf(デフ・聴覚障害)だけど、それ以外は健聴者と同じで、病気もないし歩行不能でもなんでもないから利用することはないはず。

しかしアンリ選手は座るように繰り返し促してくる。
歩けるし車椅子は必要ないことを何度も伝えるが、どうやら決まらりらしく車椅子に座ることから逃れられない運命を悟る。

ほんごう
ほんごう

本当にええんかな?俺、体重80キロ越えとるで?

そんな心配を抱きつつ観念して車椅子に座ることに。
人生初の車椅子が、まさかこんな形で乗るとは思わなかったが、乗り心地は悪くはなかった。
むしろ大柄な人が多い外国、車椅子もサイズに合わせて作られているようで、デブの自分にとってはピッタリだった。

リュックなどの荷物を膝の上に乗せて、いざ出発!
と思いきや、実際に押すのは小柄なブロンド美女の方。

ほんごう
ほんごう

アンリが押すんちゃうんかい!

アンリに聞かれないよう口に出してしまった。

繰り返すが、フランスばあちゃんの料理をガツガツ食って体重はゆうに80kg+荷物諸々で10kg、合計90kgは迫るであろう歩くデブと化した自分を運ぶのは小柄なブロンド美女だ

車椅子を押してくれたブロンド美女最大の危機

車椅子に乗り、エレベータで上へ登るのだが、手荷物検査のところまでアップダウンがある長い歩道エスカレータに乗らねばならなかった。

特にアップのところがブロンドにとっては最大の危機だったようで、さりげなく顔を見ると車椅子が重力に負けてずり落ちないよう、自身の2倍近くはあるであろう重さを全身踏ん張って耐えていたのが目に入る。

ほんごう
ほんごう

しんどいでしょ!降りますよ。

気の毒なので降りようとするが、

ブロンド
ブロンド

ダイジョーブ、ダイジョーブ!ソノママ乗ッテテ!

笑顔で降りようとする自分を制止してサムスポーズをするブロンド美女。
それ以上何も言えず言葉に甘えることにした。
といえば体裁は良いのだが、本心をいえば

ほんごう
ほんごう

乗っているだけで空港を移動できるって楽やな〜シメシメ!

と図に乗っていたのは秘密だ。

手荷物検査所は車椅子では通れない!

手荷物検査にやがてたどり着くと、予想以上いに多くの方が自分の番を待って並んでいた。
そんな中を、

ブロンド
ブロンド

はい、通りますよ〜、どいてくださいね〜。

そんな感じのことを言いながら、慣れた手つきで人々を押しわけて車椅子を押しながら進むブロンド美女。

さながらモーゼの海のような割れ方で、思わぬ体験につい顔がニヤけてしまったが、並んでいる人達にボコられないよう精一杯堪える。

ボディチェックはさすがに車椅子では通過できないのでここで車椅子から降りた。

諸々の検査を済ませ、この後も押してくれへんかな?とチラッと振り返ると、ブロンドが笑顔で手を振り、車椅子を持って元の場所へと帰っていった。

ブロンド美女の後ろ姿を眺め、

 

ほんごう
ほんごう

空港のスタッフさんも大変だな…俺みたいなデブも運ぶんだから。

と他人事のような思いと感謝の思いを抱きつつ、図に乗っていた自分を戒め、トランジットであるドイツへの飛行機に乗り込んだのであった。

Deaf(デフ・聴覚障害)は空港なら車椅子移動を使うべし

安堵して眠くなってきたとき、飛行機内でドイツのマダムといった雰囲気のCAが声を掛けてくれる。

「車椅子ツカイマスカ?」

ついさっきの戒めを忘れ、使っちゃおうかな?と思ったけどもさすがに断りました、はい。

推測だけど、空港側としては手荷物検査優先などで他の客とのトラブルを未然に防ぐために、車椅子という形で障害があるということを分かりやすくしている雰囲気がありました。
自分としては、Deaf(デフ・聴覚障害)は車椅子で乗って移動してもいいんだと勉強になりましたね。
※空港によると思うけど。

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